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まち”SHOKU”で街に助けられた大学生たち


この一週間、コメしか食べていません。

今年は2020年。コロナ感染による緊急事態宣言が出されたころ、知り合いの神大生に声をかけたら、こんな答えが返ってきた。

「この一週間、実家が送ってくれたコメしか食べていません」

おい、おい、大学生。それで大丈夫か?? これが、まち”SHOKU”活動のきっかけとなった。

アルバイトもなくなり収入が断たれ、毎日通っていた大学も閉鎖され(便利だった学食も使えない)、人と会うこともままならず、孤立している大学生がいる。
そして、大学生の生活の基礎である「食」が、危機的状態になっているのではないか。
普段から学生と数多く接している地区センターの職員は、学生たちの異変に気づいたのだった。

コロナウィルス 感染拡大により、外出もままならず、地元にも帰れず、一人暮らしを続ける学生たち。
神奈川大学は全国型大学。北海道から沖縄まで全都道府県の学生が在籍しており、東京の大学よりも地方出身者の比率が高い。
横浜キャンパスの周辺には4000名以上の学生が住んでおり、学生たちの姿は街の景色に欠かせないものになっている。
特に、祖国から遠く離れて暮らす海外からの留学生たちは、特に心細い生活を送っているに違いない。

彼らに何かしてあげられないだろうか?

神奈川大学と六角橋の深い縁

神奈川大学と六角橋自治連合会・六角橋商店街とは、様々なイベントで繋がりを持っている。

何年も続く「まち×学生プロジェクト」は、学生ボランティア活動支援室と六角橋自治連合会、六角橋地域ケアプラザ、六角橋商店街連合会、神奈川区役所、神奈川区社会福祉協議会、神奈川大学生活協同組合等が連携して六角橋地域の方々と学生との交流を目的にしたイベントを開催している。
キャンパスに街の人を呼んで行われる「六神祭」。
子供からお年寄りまで様々なグループが手作りのキャンドルで大学を照らしだす「キャンドルナイト」。
総合的な認知症支援活動として多くの企画が行われている「オレンジプロジェクト。
そして、地産地消を推進する「神大マルシェ」などだ。

さらに、六角橋商店街で月一回土曜の夜に開かれる名物の「ドッキリヤミ市場」では、毎回の交通整理などを神大フェスタ実行委員会の学生が担当しており、逆に、神大フェスタ(大学祭)の時には、六角橋商店街から多くのお店が出店してくれる、そういうつながりもあるのだ。


町内会長や商店街会長たちは語る。
同じ街で暮らす者同士、困ったときはお互い様だ。
この街(六角橋)で暮らす学生たちに、何か支援をしてやりたい。
学生時代にこの街に暮らし、自分の街と思って欲しい。
「卒業してもなお、住みつづけて欲しいし、いつでも戻ってきて欲しい。」という思いが言葉から滲んでくる。
街の人たちが結束し、支援活動を立ち上げたのも、普段から学生と街の人たちとの濃厚な付き合いがあったからに他ならない。


まち”SHOKU”とは

まち”SHOKU”は、一人暮らしの大学生に約一週間分の食糧を無償で提供し、街が「食」に困っている学生を支援するというもの。

主催は、六角橋自治連合会・横浜市社会福祉協議会・横浜市六角橋地域ケアプラザ。
協力として神奈川大学・六角橋商店街連合会・NPOアクションポート横浜が名を連ねた。

活動のベースとなったのは横浜市社会福祉協議会の「ヨコ寄付」いう活動。
「横浜の支え合い、すぐ横の人への寄付」を目的に食支援をよびかけ、横浜市内外から集まった食品や寄付金をもとに、この企画が実現することとなった。
今回支給される食料は、ひとりにつき米2キロ、缶詰4個、カップ麺3個、レトルト品、ドリンク、菓子など、ほぼ一週間分の食品である。

第一回目のまち”SHOKU”は、6月9日に開催することが決定。
大学生への周知は、大学の教務システムであるWEB St@tionで行った。
さらに、大学の公式TwitterやFacebook、Instagramで広報アシスト。
80名の募集だったが、あっという間に受付終了となった。

そして迎えた”まちSHOKU”当日。
小雨混じりの天候の中、町内会館の特設テントに、学生たちが次々に来場してくれた。
特定の時間帯に集中することなく、適度にばらけて来場してくれたため、受受け渡しは非常にスムーズに行うことができた。
来場者の笑顔が溢れた。

大成功である。

会話もちょっとした「ごちそう」に

食材お渡しコーナーの最後に、受領届けの説明と、まち”SHOKU”と連動したSNS企画の説明をしている若者が二人いた。
この、学生とまちをつなぐ重要ポジションを担ったのは、岩崎くんと小倉くん。
二人とも神奈川大学の卒業生でボランティア支援室のOBだ。在学中から六角橋の人たちと一緒に活動してきた仲間である。
二人が笑顔で「どこの大学ですか?」「何年生ですか?」「自炊してますか?」と話しかけると、来場者も嬉しそうに応えてくる。
自粛生活の中、人と会話する機会もなく、久しぶりに人と会話したという学生もいた。ややたどたどしい日本語で応えてくれた留学生の数も結構多い。
「食」を届けるイベントが、人の心に「触」れる機会になったようだ。

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2回目からはさらにパワーアップ

第二回、第三回のまち”SHOKU”では、食材に加え、新たに六角橋商店街の商品券も提供されることとなった。
この商品券は500円券だが、自治連合会からの支援が100円分加わり、商店街では600円相当券として利用できる。
商店街では、この商品券を利用する人にさらにプラスアルファのおまけを提供するよう、協力店に呼び掛けた。
ガッツリ型学生御用達の中華料理店では、一番人気の肉チャーハンがさらに大盛りで提供されるなど(通常だと800円相当のデカ盛り)。
学生に食材を提供するだけでなく、学生自身にも地元の飲食店などに足を運んでもらって、町自体にも元気を分けてもらおうという仕掛けだ。
会場に来たその足で、飲食店に向かい、お腹いっぱいで笑顔になる学生の姿もみられた。
お店も繁盛し、若い人たちの活気が街に戻ってきた。


街と学生と大学と、それぞれの未来を想う

コロナの自粛があけたら、また、街に学生たちの姿が戻ってくるだろう。
なにしろ、大学に入学して、まだ一度もキャンパスに足を踏み入れていない新入生たちが4000人もいるのだ。

ここは神大生が4年間、朝に晩に通う通り道だ。
たまには寄り道しておいしいお茶を飲み、くだらない話をしよう。
時には、お酒を飲みながら、どうでもいい議論をしよう。
この街はいつでも神大生を見守ってくれている。

このボードに書いた気持ちをいつまでも忘れずにいたい。

この状況が落ち着いたら、今度は街に、商店街に、あの人たちに、ゆっくりと恩返ししていこう。


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ボード3


ありがとうございます。
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もっと、神奈川大学のことを知ってもらいたい。 たくさんの「人」が行き交い、新たな可能性が生まれる場に。
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