美術を読み解く楽しさを多くの人に伝えたい
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美術を読み解く楽しさを多くの人に伝えたい

神奈川大学ノート
「大学院給費生制度のサポートのおかげで夢を諦めずに追い続けることができる」。研究者を目指す外国語学研究科の森麗華さんは、沖縄から上京し、横浜・みなとみならいキャンパスを拠点に、日々研究活動に力を注いでいます。

壁に直面した時、相談できる師の存在

本物の絵画を観たときに感じた圧倒的な力。学部時代に初めてヨーロッパ各地の美術館で絵画を観た時の感動が忘れられない。もっと知りたい、追求したい。その思いを叶えるために、大学院進学の道を選びました。

大学院では、19世紀のオーストリア・ウィーンで活躍した画家グスタフ・クリムトのスキャンダルに焦点を当てた研究をしています。私の研究テーマを指導できる先生は全国でも数少ないのですが、神奈川大学には19〜20世紀にかけてのオーストリア美術を専門とする角山朋子先生の研究室がありました。学部時代の教授からの紹介で、こうして今、角山先生のもとで研究を続けることができて本当に幸せです。角山先生は、専門的なアドバイスはもちろん、一研究者として寄り添い、具体的な体験談を話してくれるのでとても参考になります。大学院では院生と先生の距離が近く、周りにいる指導教員や関わりのある先生一人一人が目をかけてくださいます。先生方によく言われるのは、論文を批判的に読むことの大切さです。「本当にそうなの?」と常に客観的な視点を持つことで、新しい疑問が生まれ自分の研究テーマがよりクリアになっていきます。研究に行き詰まった時は一人で悩まずに相談しやすい環境が整っているので心強いです。さまざまな視点を持った先生方と対話をすることで、「いろいろな人生があるんだな」「悩んでいるのは私だけではないんだ」と視野が広がり前向きな気持ちになれます。「壁にぶつかった時はどう乗り越えるか」など、人として成長するために大切なことを学ばせていただく機会が多いです。

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研究への情熱が新たな道を切り拓く

現在、授業や研究活動、そのほか学外の活動として展覧会に積極的に足を運んだり、ギャラリーでインターンシップに参加したりするなど、忙しい毎日を送っています。2年という短い間に単位を取得しながらオリジナリティのある修士論文を書き上げるためには、日々の時間を大切に使わないといけないと感じています。座学や本だけの知識で頭でっかちにならないように、いろいろな場所、人、モノ、作品に触れながら洞察力を磨き、経験を積んでいきたいと思っています。出会うものすべてが自分自身を形作る糧になり、研究のヒントになります。

このように日々、研究への情熱を絶やさずにいられるのも、大学院給費生制度のサポートを受けているおかげだと実感しています。私の家庭は家計にそれほど余裕があるわけではありません。だからこそ、学費の心配をせず研究に集中できる環境が得られたことは、私にとって大きな励みになっています。

実は、入学前に給費生制度の存在は知っていましたが、自分には無理かもしれないと思い込んでいたんです。入学後、「基準をクリアしているなら応募してみたら?」という先生方の勧めがあったからこそ一歩を踏み出すことができました。この給付型奨学金は、将来大学教員を目指す学生に向けられたものなので、2年後は博士後期課程への進学を考えています。また、近い将来、ウィーンへの留学も実現したいです。給費生制度の奨学金で学費が免除された分を、留学費用として貯蓄することができるので、経済的な理由で夢を諦めずに叶えることができそうです。「目標を達成したい」という熱意を持った学生にとっては最適な制度だと思います。

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研究成果を社会に還元していく

将来の夢は、第一に研究職に就くことですが、もしそれが実現できなくてもこれまでの研究成果を活かして、美術教育に携わっていきたいと考えています。西洋美術の研究を軸にいろいろな可能性があると感じています。

私は自分自身の研究を進める中で、学部時代に文学知識を学んだ経験が、絵画に対する理解への助けとして役立つ場面がたくさんありました。文学や絵画には、社会情勢やその時代のタブー・モラル意識など、当時を生きる人々の思想が反映されています。それらの知識を学んだ上で美術鑑賞をすることで、これまで見えなかったはずの世界が垣間見え、より興味深く美術や芸術に触れることができると考えています。

ヨーロッパの美術教育に比べると、日本の美術教育では、「あなたの見たまま、感じたことが正解ですよ」と、ある意味放任主義的な指導が主流になっていると感じます。もちろん理論だけが正解ではなく、芸術には言葉では表現できない力があることも事実です。でも、他の学問と同じように、基本的なルールや背景など、作品を読み取るための力、「リテラシー」を身につけることで、これまでとは違った美術の面白さに気づくことができます。美術を専門的に学んでいない方々にも、その楽しさや新しい世界を届けられたらいいなと感じています。そのために私自身が、研究の世界の中だけにとどまるのではなく、社会とのつながりや接点を見つけていくことが大切だと感じています。研究成果を社会にどう役立てるかという視点を忘れずに、これからも研究活動に力を注いでいきたいと思います。

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