学問への誘い

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手頃な石を探す旅|海谷治彦

手頃な石を探す旅|海谷治彦

海谷治彦 理学部教授・ソフトウェア工学 20年ほど前、成田空港から都内に向かう電車の中で、サラリーマン風の男たちの雑談が聞こえてきた。彼らは老人の趣味について語っており、三段階の形態を述べていたと思うが、内一つは忘れてしまった。彼らによると、忘れた何か(一つ)と盆栽を経て、最終的には「石磨き」に到達するらしい。 そういえば、亡くなった祖父も石磨きをしていたことを思い出した。当時まだ若かった私は、さすがに自分にはまだ早いなと思いつつ、それでも、磨くのに手頃な石を探すのは良いか

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