学問への誘い

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働き方改革から学ぶ、学生生活|大竹弘和

大竹弘和 人間科学部教授・スポーツ政策論 長時間労働による過労死や自殺、残業代の未払いなど、我々にごく身近な「仕事の問題」が大きく社会問題化されるようになってきた。電通女性社員の過労死は社会に大きな衝撃を与え、2019年4月から働き方関連法案が順次施行されている。残業時間の罰則付き上限…

文化比較を通じて「知る」に至る|中村隆文

中村隆文 国際日本学部教授・現代英米哲学思想 よく「自分が何者であるのかを見つけるのが大事だ」とか「自分を見つめなおす必要がある」という台詞を耳にするが、そのためには、自身の内面だけでなく、自分の外部にも目を向ける必要がある。 たとえば、「自分はまじめな学生だ!」と意識していても、…

ヨーロッパの街角から考える事|久宗周二

久宗周二 工学部教授・社会行動工学 人は旅に憧れる。旅では、いろいろな新しい発見や体験ができる。そればかりか、日常から離れることによって、普段の自分の生活や考え方を見直す機会になる。 ましてや、海外に行くと普段当たり前と思っている習慣や、考え方を見直す機会になる。物事を測る時には…

卒業研究「Y君の話」|堀 久男

堀 久男 理学部教授・環境化学技術 高校生の諸君はまだ知らないと思いますが、大学の授業科目のうち、机に座って講義を受ける科目は、その理解度を期末試験やレポート提出で採点されて、百点満点中六十点以上が合格、つまりその科目の単位が取得でき、六十点未満だと不合格となります…

「知」ってなに?|関 真彦

関 真彦 経営学部准教授・現代アメリカ文学 もうずっとはるか昔、私はある大学の文学部に入った。 というか入ったつもりだった。 しかしその大学では最初の二年間、教養学部に入れられ、小説を読む授業なんて週に一回あればいいほうで、ずっと政治だの法律だの仏教だの、当時の私にとっては何の役に…

手頃な石を探す旅|海谷治彦

海谷治彦 理学部教授・ソフトウェア工学 20年ほど前、成田空港から都内に向かう電車の中で、サラリーマン風の男たちの雑談が聞こえてきた。彼らは老人の趣味について語っており、三段階の形態を述べていたと思うが、内一つは忘れてしまった。彼らによると、忘れた何か(一つ)と盆栽を経て、最終的に…

「当たり前」が「当たり前」ではない|芦田裕介

芦田裕介 人間科学部准教授・地域社会学 改札を抜けると、そこは迷宮だった― 渋谷や新宿、東京や横浜などの大きなターミナル駅に着くと、私はよくそんな経験をする。出口に向けて歩いているはずなのに、一向に地上の光が見えてこない。それどころか、途中でほかの路線やショッピングセンターに迷い…

法学とはどういうものか|小谷昌子

小谷昌子 法学部准教授・民事法学 わたしはラジオを聴くのが好きなのだが、ここ数年、夏休みや冬休みによく聴いているのがNHKラジオ第一『子ども科学電話相談』である。中学三年生までの「子ども」からの「なぜ鏡に映ると左右が逆になるの?」「なぜ魚はアニサキスでお腹が痛くならないの?」とい…

クリエイティブ・マインド ―ものごとを見る目とクリエイティビティ―|道用大介

道用大介 経営学部准教授・経営工学 大学では様々なことを学びますが、私はみなさんに「ものごとを見る目」と「クリエイティビティ」を大事にしてほしいと思っています。経済・経営系の学部ではその分野の理論、分析手法、過去の事例、価値観などを学びますが、これらは「ものごとを見る目」を鍛えて…

保留という選択|岩崎貴也

岩崎貴也 理学部助教・植物進化多様性科学 私が最初に進路選択を迫られたのは高校1年生の終わりでした。私は普通科でしたので、2年生から理系か文系かを選択する必要がありました。研究者は自分の専門分野を迷い無く選択してきたと思われがちですが、「理科」と「歴史」と「地理」が好きだった私は、…